鍵盤貴公子小口   酔拳野上   Dr大塚

PROFILE
ケンソーのサウンドをささえるキーボディスト、小口健一は 大学時代にUKタイプのバンド”ピノキオ”を結成、解散後ピノキオのデモテープをきっかけに84年から日本を代表するプログレッシブロックバンド、ケンソーに加入、 その後 ギタリスト酒井泰三氏とのセッション、 吉田達也 (注1)のルインズとの共演などにおいて、 その類いまれなる演奏力、作曲能力を十二分に発揮してきた小口のキーボードトリオがEsだ。
小口は、某大学の大学祭での演奏依頼を受け、自らのリーダーユニットを結成するが、ベーシスト不在のままリハーサルが進行する状況が続いていた。 そんな折り小口は、当時ライブハウスを中心に精力的な活動を行っていた異色ポップ系プログレバンド“コラージュ” (注2)のリーダー野上洋一(b)と、ある人物(注3)を介し運命的な出会いを果たす。
奇抜で大胆な作曲能力とアレンジセンスを持つ野上に、小口は類い希な才能を見いだす。また野上も小口のもつ抜群の演奏力と作曲性に今まで感じえなかった音楽的感動を得て、小口のリーダーユニットにスポット参加することになる。このとき小口が書き上げた曲が後の名曲「月夜舟行」である。
小口は、野上との出会いと同時にコラージュのドラマー大塚勝幸とも親交が深まっていった。大塚のあらゆるスタイルを強引にねじまげ独自のカラーにしてしまう大胆なドラムとメロディーに対する独特のリズムアプローチ及び人間性に小口は大きく惹かれるが、2人は友人としての付き合いの方が深く(注4)、具体的な音楽活動にはいたっていなかった。
大塚はコラージュ結成前、某女性ボーカリスト、ガ○のバックを務めるなどの活動をしていた。
翌年、大塚が小口のリーダーユニットに参加するものの、野上が都合により不参加。89年にようやく小口、野上、大塚と“ゴスケル”を結成し、ギターも加えた編成でジャン・リュック・ポンティー、チックコリアなどのカバーを演奏していたが、95年に一時活動を停止。その後あらためて小口を中心としたメンバーそれぞれのエスを追及した新しい音楽を実現するバンド、Esがスタートした。

(注1) 吉田達也・・・日本のクリスチャン・バンデールと呼ばれる鬼才、高円寺ひばり莊在住
(注2) コラージュ・・・当時”イカ天”というテレビ番組に出演し1週イカ天キングに輝くも、○ランキー・○ェット・○ティーに敗れる
(注3) ある人物・・・某人気ビジュアル系ロックバンド、○ナ・○ーの当時のマネージャー
(注4) 友人としての付き合い・・・なぜか悩み事の相談が多かったらしい

 

小口健一:キーボード

東京都 町田市 出身 4.1 生まれ A型

ガムラン音楽と沖縄民謡に傾倒している。

フェイバリットアルバム98’ (文:小口健一)
◆UK “ALL”
私にとって、音楽で迷った時のバイブルはUK! 熱さとクールさのバランスが最高。
◆MAGELLAN “TEST OF WILLS ”
いわゆるドリームシアター系のアメリカンプログレだが、調性を無視したぶっとびの和音がどこまでも開放的でイカス。 一聴するとありがちに聞こえる曲は、実はかなり緻密に作られており、聞けば聞くほど味がでるグループ。 テリー・ボジオ参加(!)の最近のアルバム(MAGELLAN名義ではないが・・)”E XPROLERES CLUB”もGOOD!
◆JEAN MICHEL JARRE “OXYGEN 7−13 ”
JARREのサウンドはシンプルな分、映像をダイレクトに喚起させてくれる。十代の頃、初めてJARREを聞いた時に目の前に広がった、パリ上空を夜間飛行するがごとき、きらびやかな情景が、いつまでも忘れられない。
◆MAGMA “MAGMA LIVE ”
いかにもフランス的な和声と暴力的なビートの組み合わせが快感。アルバムラストのスティーブ・ライヒ的なコーラスのたたみかけは、ミニマルミュージックとロックミュージックの融合として最高の成果をあげており、ロック史上に残る金字塔だと思う。
◆PROKOFIEV “ピアノ協奏曲 第三番”
第一楽章での、ピアノとストリングスセクションの躍動感あふれるユニゾンや、第三楽章エンディングでのピアノ乱舞は、ロック・ミュージシャンに近いパッションを感 じることが出来て大好きだ。PROKOFIEV の曲はほとんどが大好きだ。
◆OLIVIER MESSIAEN “MYSTICS”
地球上のものとはとても思えない神秘的な和音やメロディーは、この世のあらゆる物を超越できたとさえ錯覚させてくれる。MESSIAENの曲はほとんどが大好きだ。
◆HOLST "THE PLANATS"
大好きだ。
◆MIKE OLDFIELD “CRISES ”
OLDFIELDの内省的なメロディーと、このアルバムの共同プロデューサーでもある SIMON PHILLIPSのスケール感のあるドラムスが見事にマッチした中期の傑作。
◆CJ BOLLAND “THE ANALOGUE THEATRE ”
テクノ。テクノ系のアルバムは大量に買い込むわりに、あまり聞き返すことはないのだが、このアルバムは何回聞いても飽きなかった。 EDDIE JOBSONのZINCの世界に通じるものがあるかも!?
◆STEVE VAI "PASSION AND WARFARE"
まるで生き物のようにスピーカーから飛び出して来るギターがシビレル!ホームページの譜面を見てもわかるように彼のリズムに対する造詣は相当なもののようだ。

 

野上洋一:ベース

北海道 美深町 出身 3.4 生まれ A型

高校卒業後上京、ABELその他のBAND活動後、COLLAGEを結成、解散後Esへ、(一時、弟とのバンドAdam'sPeakに参加。)

フェイバリットアルバム98’ (文:野上洋一)
◆BRIAN ENO “ANOTHER GREEN WORD”
昔、このアルバムのジャッケットを壁に飾ってました。 異常に音がシンプルなのにひとつひとつの音の良さで独特の世界が広がってます。 PERCY JONESのBASSもGOOD (PERCYのソロアルバム、PROPELLER MUSICも良い。)
◆EDDIE JOBSON “THE GREEN ALBUM”
小口氏の魂だと私は思います。
◆YES “DRAMA”
やっぱり、クリスはカッコイイです。 HEAVYなサウンドがGOOD。クリスのVOの良さは、ソロ FISH OUT OF WATERで立証済みでした。
◆BRAD FIEDEL “TRUE LIES”
オーケストラですが、エレクトリックサウンドでやれば、すごくかっこいいと思います。
◆STEVE VAI “SEX&RELIGION”
VAIもBOZZIOもいいが、VOのDEVIN TOWNSENDは凄い!RUSHトリビュートでの DEVINも必聴です。
◆VANGELIS “BLADE RUNNER”
この音がなければ、この映画は別物だったような気がする。
◆KING'S X“EAR CANDY”
ジューダスプリーストのKILLNG MACHINEを彷彿させる、エッジの効いた重いサウンドが 良い。
◆WORLD TRADE “WORLD TRADE ”
インポートCD店で、たまたまジャケットが良くて買ったが、後にYESと繋がるとは… 1曲目のサウンドの広がりはまさに…
◆KATE BUSH“THE RED SHOES”
VIDEOの為に曲を作ったような気がする程、VIDEOがいい。 THE WHOLE STORYのEXPERIMENTWのプロモーションVIDEOも良い。
◆PETER GABRIEL “PETER GABRIEL”
中学生時代、まわりは、パープルやZEPを聞いていたが、自分はこればっかり聞いていた。 全ての曲が素晴らしい。
◆ESQUIRE “ESQUIRE”
クリス・スクワイアと誕生日が同じ日のわたしは、このアルバムはクリスのソロと思って聞いてます。 KEYのアレンジは凄い。 最近、小口氏がインポート中古CDを見つけました。欲しい…
◆ROXY MUSIC “MANIFESTO”
ロキシーは全部良いですが、このアルバムには特にインパクトを受けました。この前のアルバムSIRENのEDDIE JOBSONとBRYAN FERRYの合作のSHE SELLSもお勧め。

 

大塚勝幸:ドラム

神奈川県 座間市 出身 10.9 生まれ AB型

前期コラージュに参加後、Esへ。車とドラムにアツい。

フェイバリットアルバム98’ (文:大塚勝幸)
◆ OVER THE TOP / COZY POWEL
インストゥルメンタルの楽しさを十分に味わえ、さらにプレイヤーのキャラクターを堪能できる秀作。スタジオライブ風で演奏はかなりラフだが特に2、3、5では、曲の展開に応じた各プレーヤーのアプローチにロックミュージ シャンの神髄が見える。このコージーの演奏やレインボーのライジングでの演奏は今聞いても衝撃的で胸躍るものがある。
◆ SPEAK OF THE DEVIL / OZZY OZBOURN
トミー・アルドリッジのパワーとスタイルが最高を極めている。初めから最後までハイテンションで駆け抜けて行くエネルギー感がたまらなく、トミーがバンド全体を押し上げている、一気に最後まで聞き入ってしまう。オジー・オズボーンはどのアルバムを聞いても素晴らしいドラマーを起用しているが、トミーほどオジーにマッチするドラマーは他にいないと思う。
◆ MOVING PICTURES / RUSH
自分のドラムに対する価値観やスタイルを決定付けたアルバムと言っても過言ではない。綿密に練られた曲を建設的、かつ独特のアプローチで仕上げたニール・パートの存在は自分の中であまりにも偉大すぎる。コピーをすることも困難だが、無の状態から同じアプローチの発想は絶対に出来ない。それがラッシュでありニール・パートである。 フェアウェル・トゥ・キンクス/ヘミスファーズ/パーマネント・ウェーブスでは芸術性と驚異的な演奏力、シグナルズ/グレース・アンダー・プレッシャー/パワー・ウィンドゥズでは全く新しい音楽の輪郭を感じる。 自分にとってラッシュはバイブルであり、ドラミングの辞典である。
◆ BACK ON THE STREETS / GARY MOORE
このアルバムで演奏のダイナミクスを初めて知ったと思う。「スノームースの飛行」では聞かせる為のダイナミクスコントロール、「ハリケーン」ではバスドラの音量コントロールによるスピード感、「ドナの歌」ではオーソドクスな演奏にもかかわらず歌を含めた各パートを完璧に演出しているサイモン・フィリップスにあこがれて、同じドラムセットを買ってしまった。
◆ THERE AND BACK / JEFF BECK
ゲイリー・ムーアのバック・オン・ザ・ストリーツ同様サイモン・フィリップスの驚異的な演奏が聞ける。スペース・ブギでのツインバスのダイナミクスコントロールはまるで戦車のような強烈な推進力を生み出している。サイモンはロック色の強いバンドでは格闘的とも言える演奏で圧倒するが, TOTOの様な曲メインのバンドでもその強烈な個性がバンドに自然に溶け込んでしまう不思議さを持っている。
◆ FRONTIERS / JOURNEY
曲・演奏・音質、どれを取っても素晴らしくプレイヤーの特徴が絶妙にからみあい個性が生かされている。ステップス以降のプレイでは聞けない重く・深く浸透するスティーブ・スミスの奥深さを十分に味わえる。このアルバムの次作“ ヴァイタル・インフォメーション”でも同様のプレイを聞くことが出来る。
◆ GINO VANNELLI / NIGHT WALKER
このアルバムを初めて聞いたときの衝撃は今でも忘れられない。歌モノはこうやるんだと言わんばかりの演奏で、ポピュラーミュージックのお手本のようなアルバム。演奏があまりにもスムーズなので一見普通にしか聞こえないが、演ってみるととても出来ない。ザッパ・スティングのプレイでは見られないヴィニーの一味違ったアプローチを聞ける。歌モノで行詰まったときこのアルバムを聞くと必ずよいヒントが得られる。
◆ THE CHIC COREA ELEKTRIC BAND / THE CHIC COREA ELEKTRIC BAND
このアルバムのよさに気付いたのは2作目の「ライト・イヤーズ」を聞いてから、当時の自分には柔軟で繊細なテクニカルスタイルを理解出来ず、嫌いなジャンルと位置付けていた。あるきっかけにより“ランブル”をコピーすることになりその時からチック・コリア/デイヴ・ウェックルの熱烈なファンになってしまった。このアルバムやミシェール・カミロ/ミシェール・カミロ、などは大きく影響を受けた気がする。

◆ BABY SNAKS / FRANK ZAPPA
ザッパ/UK/ブレッカー・ブラザーズ/ジェフ・ベックそしてレビン・スティーブンスとの前衛的な演奏などテリー・ボジオの伝説的な演奏はどれを取っても驚異的で魅力にあふれている。中でも自分が一番好きなのがザッパ時代の「ベイビー・スネークス」だ。比較的オーソドックスな曲調が多くテリー・ボジオの魅力がよりダイレクトに伝わってくる・・と言うよりも他のプレーは私の常識を逸脱し理解を越えている。ベイビー・スネークスはアーティストではなくプレイヤーとしてのボジオを感じられる数少ない一枚だ。

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